良好な景観を形成するためには、区の景観まちづくりの理念や方針に対する事業者や設計者等の理解と協力が不可欠です。そのために、区は景観特性や景観施策に関する取組み状況について、ホームページ等の積極的な活用、事業者や設計者等が理解しやすい具体的かつ簡潔な手引書等での周知に努めていきます。その上で、建築士事務所協会等に対する説明や意見交換のための機会を設定するなど、理解と協力を得るとともに、地域の魅力を高める創造的な提案につながるよう連携の強化を図ります。 また、計画地が隣接区とまたがる場合だけでなく、区外においても、新宿区の景観に対する影響が大きい場合は、区に相談するように求めていきます。 事業者の役割 事業者は、基本理念にのっとり、土地の利用等の事業活動に関し、良好な景観の形成に自ら努めるとともに、 国又は地方公共団体が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。(景観法第5条) 平成16年8月に取りまとめられた新宿区民会議の提言書において、「地形」や「まちの記憶」を活かしたまちづくりの重要性が示されました。このような意見を「新宿区景観まちづくり計画」に反映させていくことを目的として、景観まちづくり審議会*に景観計画検討小委員会*を設置し、専門的な見地から調査・検討を行うこととなりました。 「地形」や「まちの記憶」に関する詳細な調査は、景観計画検討小委員会の委員のうち、大学教授や准教授が中心となり、大学内の研究室の協力を得て実施されました。その詳細な調査に基づき、地域特性を活かしたきめ細かな景観まちづくりの方針を示すものとして、平成21年度に「エリア別景観形成ガイドライン」が景観まちづくり計画等とともに策定されました。 令和2年度からの改定に伴い、令和3年度に再び大学と連携したワーキンググループ*を発足して、現地調査等を実施し、まちの変化や新たな視点により改定素案の検討を行いました。ワーキンググループは、景観まちづくりを学ぶ、区内大学を含む43名の大学生に参加頂きました。区内大学を含む大学生に検討してもらうことで、地域で生活する方の視点を取り入れた計画となるように努めました。 新宿区では、このような経緯を踏まえ、今後も専門性を有する大学との連携を継続し、よりよい景観形成を目指していきます。 区の景観を特徴づけている神田川や外濠(史跡江戸城外堀跡)、新宿御苑、明治神宮外苑などは、区の外周を取り巻くように存在しています。また、明治神宮聖徳記念絵画館や迎賓館などの眺望景観*は複数の行政区の影響を受けながら形成されています。そして、幹線道路や河川、鉄道沿いの現実のまちなみは、区の内外に渡って連続して続いています。 こうした広域的な景観の形成にあたっては、東京都や隣接区と連携しながら、良好な景観の保全・創出を図る必要があります。 3|事業者等との連携 4|大学との連携 5|隣接区との連携 新宿区景観まちづくり計画 新宿区景観まちづくり計画 | 第3章 景観まちづくりの推進
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