新宿区景観まちづくり計画 区は、豊島台地、淀橋台地とそれらに挟まれて東西に伸びる河川沿いの低地で構成されています。この低地に沿って、神田川、妙正寺川、外濠(史跡江戸城外堀跡)などの水面が区の外周を取り巻き、さらには新宿御苑や明治神宮外苑、斜面緑地などの貴重な自然が残っています。このような変化に富んだ地形の上に、土地利用や街路形成の変遷、そこで展開されてきた人々の営みの歴史や文化など、それぞれの地域に刻まれた「まちの記憶」が積み重なり、時を経ながら徐々に個性豊かな景観が形成されてきました。 このような沿革により、区内には超高層のビル群からみどり濃い住宅地まで、世界最大級の繁華街から地域の風情ある商店街まで、江戸の歴史を感じさせる路地からアジアの異国情緒あふれる通りまで、南北4キロ、東西5キロの範囲に、実に個性的で多様な景観が形成されています。 しかし、一方で、経済性や効率性を重視した建築行為や公共事業等によって、まちの特性や歴史を体現してきた個性的なまちなみや、貴重なみどりや水辺などの自然を失う可能性があります。 こうした視点に立ったとき、何よりも重要なことは、今もなお、多くの地域で輝きを放っている「個性的で多様な景観」を、区の魅力として、また、貴重な財産として活かしながら、まちづくりを推進していくことです。良好な景観を形成することは、区民にとって潤いのある豊かな生活環境を創造するだけでなく、人の心を豊かにし、更に地域の活性化や観光の振興にも大きく貢献していくことは、幾多の事例からも明らかです。 今後は、東京都や隣接区とも連携を図りながら、地域の個性に光をあてた景観まちづくりを推進していきます。 文中で*を付けた用語については、「資料編 / 2用語集」に説明文を記載しています。 新宿区景観まちづくり計画
元のページ ../index.html#11