ウエストナイル熱について

最終更新日:2009年4月1日

由来

 動物由来感染症のひとつで、1937年ウガンダのウエストナイル地方で発熱した女性の血液から始めてウイルスが分離されました。現在、アフリカ、地中海沿岸、インド、北米など広い地域に分布しています。アメリカ合衆国では、1999年にニューヨーク市周辺で流行が報告されて以後、継続的に流行地域が拡大しています。

病原体は?

ウエストナイルウイルスで、フラビウイルス科に属し、日本脳炎のウイルスに近いウイルスです。

感染サイクル経路は?

 ウイルスは鳥(野鳥)の体内で増殖し、蚊(イエカ、ヤブカ等)を介してヒトや動物に感染します。感染している鳥の血液中に含まれていたウイルスは蚊の唾液腺に貯留され、ヒトや動物を吸血する際に唾液と一緒にウイルスが放出され、そこで増殖し、時に発病させます。なお、感染したヒトからヒトへ感染、感染した鳥や動物からヒトへの感染はありません。感染したヒトまたは動物を刺した蚊か他のヒトや動物への感染はありません。  

どんな種類の動物がウエストナイルウィルスに感染するのですか?

 大多数は鳥類ですが、ウマ、ネコ、コウモリ、シマリス、スカンク、リス、野生のウサギからもウィルスは見つかっています。牛、馬、めん羊、山羊、豚が感染していると診断された場合は、家畜伝染病予防法にて獣医師より家畜保健所に届出ることになっています。

発生時期・臨床症状と経過

●発生時期
 温帯地域では、通常、夏後半から初秋にかけて発生します。

●臨床症状と経過
 潜伏期は3~15日(通常2~6日)です。感染しても約80%は不顕性感染で終わってしまいます。
 [1]ウエストナイル熱
 症状は突然の発熱(39度以上)、頭痛、背部の痛み、筋肉痛、食欲不振、発疹(胸、背、上肢)などで、予後は良好であり、通常1週間程度で回復しますが、その後倦怠感が残ることもあるとされています。
 [2]ウエストナイル脳炎・髄膜炎
上記、ウエストナイル熱の症状と共にさらに重症な症状として、激しい頭痛、方向感覚の欠如、麻痺意識障害、痙攣、筋力低下などを示します。このような重篤の症状を示すのは感染者の約1%で、高齢者に多く、致死率は3~15%とされています。

診断

 検体として血清や脳脊髄液を用い、診断には主に血清診断(抗体検査)が用いられます。また、PCR法による遺伝子の検出、培養細胞を用いたウイルスの分離も行われます。

治療

 対症療法のみです。重症の場合は、入院の上、補液、呼吸管理等を行います。ヒト用のワクチンは無く、未だ開発段階です。

発生地域での感染を予防するためには?

 蚊を介してヒトに感染することより、発生地域へ渡航する場合は蚊に刺されないようにすることが重要です。
[1]戸外では出来る限り長袖、長ズボンを着るなど皮膚を露出させないようにしましょう。
[2]蚊に刺されやすい夜明けや夕暮れ時、早朝などの外出は控えましょう。
[3]ベビーカーには防虫ネットを被せましょう。
[4]屋内にいる際には、戸締り或いは網戸をしっかり閉めておきましょう。
[5]超音波器は予防には効果的ではありません。
[6]蚊除けスプレーを露出している皮膚に噴霧しましょう。DEETが含まれている防虫剤をおすすめします。使用上の注意をよく読んで使ってください。
[7]薄い服だと蚊が服を通して刺すので、虫除けスプレーを服に噴霧しましょう。

★DEET(ディート)について
昆虫忌避剤で、医薬部外品になります。最も有効で最も研究された利用可能な虫除けです。日本でも一般的に使用されている虫除け、殺虫剤、農薬にほとんど含まれています。製品に付いている成分表示で確認してください。使用方法によっては、稀ではありますが皮膚炎等の副作用が出る可能性もありますので、必ず使用上の注意を守ってください。妊婦や母乳による育児中の女性が使用し、副反応が発生したとの報告はありません。N,N-ジエチルーm-トルアミドかN,N-ジエチルー3-メチルベナマイドと書かれている場合もあります。

発生状況

 「感染症法」上、四類感染症に位置づけられており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届出る義務があります。
 また、媒介蚊の航空機内などへの侵入を介して、日本国内に持ち込まれる可能性があることから、国では平成11年より検疫所が中心となって、航空機の客室内やコンテナ貨物、空・海港地区で採取した蚊のウィルス保有調査を実施しておりますが、未だウィルスを保有する蚊は発見されていません。さらに東京都でも平成13年度から野生カラスにおける動物由来感染症病原体保有状況調査を実施していますが、ウエストナイルウィルスは見つかっていません。

※米国やカナダから帰国して、突然の発熱(39度以上)や激しい頭痛、筋肉痛、発疹などの症状が出た方は、すぐに医療機関を受診しましょう。

本ページに関するお問い合わせ

新宿区 健康部-保健予防課
予防係:03-5273-3859  FAX:03-5273-3820

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