自治創造研究所講演会を開催
~住民主導のまちづくりを考える

最終更新日:2009年12月14日

写真:講演する森反教授
写真:講演会の様子
12月14日(月)、新宿自治創造研究所は、職員向け講演会を区役所本庁舎で開催した。同研究所は、自治体シンクタンクとして区が昨年4月に設置。区の政策課題に関する調査・研究を行っている。
講演会は、職員の自治に対する関心を喚起する目的で行われたもので、今回で4回目。金安岩男・研究所所長のあいさつに続き、研究所のアドバイザーである森反章夫・東京経済大学教授が、「住民主導のまちづくりとその奥行きについて」をテーマに講演した。会場は中山弘子区長をはじめ、約70名の区職員で満席となった。

森反教授は、社会学の最新の知見をもとに、住民主導のまちづくりについて、事例をあげながら、講演を行った。内容要旨は次のとおりである。
第一に、『普通の生活者感覚と都市計画のノルム(基準)の「乖離」』として、マンション居住者と地域社会のつながりの可能性や、「液状化社会」における、個と社会との中間領域であるコミュニティの衰弱状態が問題である。第二に、「インボルーション(内旋)としてのまちづくり」として、阪神淡路大震災時の自生的仮設住宅群の事例に見られる、まちづくりにおける「横領的実践」や、その制度化(時限的市街地の試み)がある。第三に、「まちづくり協議会における二層の活動」として、震災時の「まちづくり協議会」による復興過程での合意形成の困難さや、同意調達における行動プログラムのあり方が重要である。そして、「現代的コモンズと自存のまちづくり」として、公的・私的所有権を超えた共用空間の立ち上げと行政による制度的な環境整備・支援が特に求められている。

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