区の指定無形民俗文化財「高田馬場流鏑馬」開催

最終更新日:2009年10月12日

写真:馬上から矢を放った瞬間
写真:戸山公園までの道のりを練り歩く
今日12日、「高田馬場流鏑馬」が、都立戸山公園(戸山3-1)で行われた。主催は「高田馬場流鏑馬保存会」。この行事は、近くにある穴八幡宮(西早稲田2-1-11)の神事の一つとして、毎年体育の日に行われているもので、新宿区指定無形民俗文化財にもなっている。

流鏑馬は、騎射の一種で、矢継ぎ早に射る練習として、走る馬の上から矢で的を射るもので、平安末から鎌倉時代に武士の間で盛んに行われたといわれている。
「高田馬場流鏑馬」は、江戸時代、八代将軍吉宗が久しく途絶えていた流鏑馬の儀式を制定し、享保13年(1728年)に世継ぎの病気治癒を祈願して行ったことが始まりとされる。明治以降、流鏑馬は一時途絶えたが、昭和9年に穴八幡宮境内で再興され、戦前は数回行われた。戦後は昭和39年に復活し、昭和54年からは都立戸山公園で実施されている。

午後1時、穴八幡宮で祭典が執り行われ、射手・諸役らがおはらいを受けた後、馬とともに戸山公園までの道を練り歩いた。
会場に到着すると、江戸時代を思わせる装束を身に着けた射手5名が順番に馬場に登場。大勢の観客が見守る中、約200mの馬場を走りぬけながら、その間にある三つの的をめがけて矢を放った。矢が的に当たると、観客からは、射手をたたえる大きな歓声と拍手が沸き起こっていた。

毎年見学に来ているという区内在住の男性は「今年は天候にも恵まれ、例年以上に観客も多く盛大ですね。矢が次々と的を打ち抜く姿は、何度見ても迫力があり、感動します」と話してくれた。