これがニューヨークで生きる道 世界的キュレーター・海老原嘉子氏が特別講演

最終更新日:2008年12月11日

写真:講演する海老原氏
写真:ケーススタディの説明をする金安所長
写真:ケーススタディの発表をする職員
 今日11日、新宿区(区長:中山弘子)は、新宿区役所(歌舞伎町1-4-1)で、職員向けの研修「海老原嘉子氏特別講演・ニューヨークでの経験から学ぶ企画力~キュレーターの仕事を通して~」を開催した。

 海老原嘉子氏(非営利財団IDNF(国際デザインネットワーク)設立理事、Gallery91主宰)は、1969年単身ニューヨークに移住。1988年にアメリカ工業デザイン協会から「ブロンズ・アップル・アワード」を日本人として初めて受賞するなど、世界的に活躍するデザイナー・キュレーター。今回の講演は、新宿自治創造研究所・金安岩男所長(慶應義塾大学教授)が、海老原氏と30年来の旧知であったことから実現した。

 海老原氏は、わずかな所持金でニューヨークへ飛び込んだ時代から、アンディ・ウォーホルやバスキアといったアーティストたちとの交流や数々の展覧会を経て、キュレーターとして認められるまでをユーモアたっぷりに紹介。ニューヨークにおける日本企業の美術館・ギャラリー戦略がいかに時代遅れであるか、ビジネスとして成功するとはどういうことか、まちづくりに生きるデザインとは、ニューヨーク=都会の魅力など、その話題は尽きることがなく、聴講する職員たちは熱心に聞き入っていた。また、キャンドルライトなど実際の商品デザインから問題点を見つけ出し、改良案を提案するというケース・スタディを行った。

 職員からの「アイデアの源は」「魅力的な提案とは」などの質問には、海老原氏は「物事にも人にも広く興味を持ってください。自分を信じて、伝えたいことを強く持つこと」と力強く語りかけた。

 金安所長は「『デザイン』とは、モノの形を考えるということだけではなく、計画する・企画するといった意味もあります。今日の講演は、様々な計画・政策を実現させていく皆さんにとって、必ず生きてくることでしょう」と、職員に語りかけた。
 講演終了後、参加した約50人の職員からは「氏の発想力に驚き、感動。とても貴重な経験だった」「『受け手のことを考えるモノづくり』という視点は、自分たちに必要」といった感想が聞かれた。

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