区長の部屋メニュー

平成31年度 区政の基本方針説明

最終更新日:2019年2月14日

【注】本文は口述筆記ではありませんので、表現その他が多少異なる場合があります。
1 はじめに

平成31年第一回定例会の開会にあたり、議会並びに区民の皆様に、区政の基本方針と施策の大綱について、所信の一端を申し述べます。
本定例会では、平成31年度一般会計予算案をはじめ、多くの議案をご審議いただきます。何とぞ、議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

はじめに、我が国の経済情勢を見ますと、雇用・所得環境の改善が進み、本年1月で、景気の回復期間は戦後最長を更新したと言われています。しかしながら、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響などに十分留意する必要があります。

区財政においては、特別区民税をはじめとする一般財源が堅調に推移したこともあり、一定の財政対応力を確保しております。しかし、消費税率の引上げなどによる財政構造の変化、法人住民税の一部国税化の拡大や、ふるさと納税による特別区民税の減収などが懸念されるなど、区財政を取り巻く環境は、依然として不透明であり、予断を許しません。

このような中、区は、高齢者や子育て世代への支援など、誰もが安心して住み続けられる環境の整備、災害に強い安全なまちづくり、長期的視点に立った区の魅力をより高めるまちづくり、さらには、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた取組を進めなければなりません。

このため、私の区政に対する2つの基本姿勢である「現場・現実を重視した柔軟かつ総合性の高い区政」と「将来を見据えた政策の優先順位を明確にした区政」のもと、区民の皆様が夢と希望を持って生活できる、持続的に発展する新しい新宿のまちの創造に向けて、区政課題に全力で取り組んでまいります。

2 平成31年度の区政運営の基本認識

次に、平成31年度の区政運営にあたり、私の基本的な認識を申し述べます。

平成31年度は、区の10年後の将来像を見据えて策定した総合計画と、そのアクションプランである第一次実行計画2年目の年です。総合計画に示す5つの基本政策が、将来大きな成果をもたらすよう、社会経済情勢や行政需要の変化などに的確に対応し、実行計画に掲げる各事業を着実に推進してまいります。

基本政策の第一に掲げる「暮らしやすさ1番の新宿」では、区民の皆様が心豊かにいきいきと暮らすことができるよう、一人ひとりが尊重され、誰もが自分らしく生きることができる地域社会の実現を目指します。
このため、健康寿命の延伸や、安心して子育てができる環境の整備、教育の充実、高齢者や障害者など誰もが自分らしく生活できるまちづくり、地域コミュニティの活性化など、区民生活を支える施策に取り組みます。

基本政策の第二「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」では、切迫性が高まる首都直下地震等の緊急地震対策と、安全で安心な生活環境づくりに取り組むことが重要です。
このため、建築物の耐震化や不燃化、ブロック塀や擁壁・がけの安全化対策にスピード感をもって取り組むとともに、地域防災力の強化を図ります。また、特殊詐欺対策や客引き行為の防止、民泊や空き家等への対策、不法投棄の防止対策等を進めてまいります。

基本政策の第三「賑わい都市・新宿の創造」では、商業・業務・文化・居住機能などが集積する、多様性に富んだ新宿の都市機能や都市環境を活かした、まちづくりに取り組んでいきます。
また、文化・観光・スポーツの振興、環境にやさしいまちづくり、商店街支援や産業振興などの施策を推進し、誰もが愛着と誇りを持てる、やすらぎとにぎわいのまちの実現を目指します。

そして、これら3つの基本政策を下支えする「健全な区財政の確立」と「好感度1番の区役所」を推進していきます。

基本政策の第四「健全な区財政の確立」では、適切な施策・事業の進行管理に努めるとともに、税外収入のさらなる確保、公共施設マネジメントの強化などに取り組むことにより、健全な行財政運営を確保し、将来にわたって良質な区民サービスを提供してまいります。

基本政策の第五「好感度1番の区役所」では、窓口案内の質の向上や、ICTを活用した効果的・効率的な行政サービスの提供に取り組みます。
また、区民の皆様とともに地域課題を共有し、解決するための施策を立案・実行できる職員の育成に取り組むことで、区役所の好感度を高めていくほか、区民に最も身近な基礎自治体として、地方分権を推進してまいります。

このほか、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、この世界最大の平和とスポーツの祭典が、子ども達や多くの区民の記憶に残る大会となるよう、着実に取り組んでまいります。

3 基本政策と主要施策の概要

このような認識を踏まえ、基本構想に示す「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」の実現に向けて取り組む主要な事業について、5つの基本政策に沿って申し述べます。

3.1 5つの基本政策と主要事業の概要

はじめに、基本政策の第一「暮らしやすさ1番の新宿」についてです。
生涯にわたり心身ともに健康で暮らせる健康寿命の延伸に向けた取組を充実させるため、健康ポイント事業の参加人数を拡大するとともに、ポイント付与の対象を現行のウォーキングに加え、健康づくり事業などにも広げていきます。
また、身近な運動であるウォーキングの楽しさを広めるウォーキングマスターを引き続き育成するとともに、新宿の名所を巡りながら歩く「しんじゅくシティウォーク」の参加人数を増やすなど、イベント規模を拡大して実施いたします。

さらに、高齢期の健康づくりとフレイル予防を、効果的・効率的に推進させるため、筋力アップを図る「しんじゅく100トレ」と併せて、区民の皆様に親しまれている「新宿いきいき体操」と、食べる機能の維持向上を目指す「新宿ごっくん体操」を普及啓発していきます。

生活習慣病の予防については、糖尿病の正しい知識や食生活の改善、適切な運動習慣などを普及啓発するとともに、糖尿病を原因とした重大な合併症を予防するため、医療機関と連携し、重症化リスクが高い方への支援を強化してまいります。

このほか、本年3月に策定する「新宿区自殺対策計画」に基づき、ゲートキーパーの育成や相談体制の強化等に加え、新たにインターネットを活用した自殺防止対策を実施し、若年層への支援を強化してまいります。

また、女性が生涯を通じて健康で明るく充実した日々を過ごせるよう、女性の健康支援センターを中心に、健康相談や健康講座の開催など、様々な施策を展開してまいります。

さらに、精神に障害のある方が、医療や介護などの必要な支援を受け、住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、相談・支援体制の充実を図ります。
次に、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域包括ケアシステムの推進についてです。
地域の中心的な相談機関である高齢者総合相談センターについては、2020年度に現在の柏木・角筈高齢者総合相談センターの管轄区域を分割し、柏木地域に高齢者総合相談センターを新設することで、高齢者の支援体制のより一層の充実を図ります。

また、開館一周年を迎えた「ささえーる 薬王寺」を拠点とした、誰もが参加できる講座の開催や、地域の支え合いの担い手育成などに取り組んでいくことで、多世代がお互いに支え合う「地域支え合い活動」を推進してまいります。

さらに、介護保険サービスの基盤整備では、本年7月に、富久町に特別養護老人ホームとショートステイを開設します。また、2022年度の開設に向け、市谷薬王寺町の国有地では、ショートステイを併設した特別養護老人ホームを、払方町の国有地では、認知症高齢者グループホームや小規模多機能型居宅介護並びに障害者グループホームの整備を進めます。

このほか、介護事業所の人材確保を支援するため、介護の仕事の魅力や、やりがいを紹介する講演会、区民を対象とした介護職の入門研修や就職相談会を開催します。さらに、宿舎借り上げの費用を助成することで、職員の働きやすい職場環境を実現してまいります。

また、認知症高齢者が地域で安心して暮らし続けることができるよう、認知症サポーターの養成・育成を進めるほか、高齢者総合相談センターの「認知症初期集中支援チーム」による支援や、認知症サポート医による専門的助言、「認知症診療連携マニュアル」の活用など、認知症の高齢者を地域で支える体制づくりを推進していきます。

次に、障害者がいきいきと暮らし続けられる環境の整備についてです。
区民や新宿のまちを訪れる方が、バリアフリー情報を手軽に入手できるよう、区のホームページに掲載しているバリアフリーマップを刷新し、スマートフォンに対応させるとともに、ピクトグラムから多機能トイレやエレベーターなどを検索できる機能を追加します。さらに英語版マップを新たに作成し、外国人の利便性を向上させます。
また、障害者や高齢者への介助の基礎を学ぶ研修会や、障害理解のための講演会などを開催することで、「こころのバリアフリー」を促進し、障害のある人もない人も共に支え合う地域共生社会を目指します。

さらに、障害の重度化や障害者の高齢化への対応、特別支援学校卒業生の進路先の確保のため、新宿福祉作業所と高田馬場福祉作業所で、就労継続支援B型事業に加え、生活介護事業を実施します。また、あゆみの家を改修し、2020年度から、生活介護事業の定員を拡大するとともに、重症心身障害者通所事業を開始します。

次に、安心できる子育て環境の整備についてです。
引き続き、待機児童の解消に向けて、私立認可保育所の開設により、本年4月には325名の定員を拡大します。

さらに、賃貸物件等を活用した私立認可保育所6所を整備し、313名の定員の拡大を図ります。
このほか、昨年12月から実施している、育児休業中の保護者の職場復帰を支援するためのベビーシッター利用料の一部助成に加え、待機児童対策としての居宅訪問型保育事業を新たに実施します。
こうした取組に加え、保育人材の確保と離職防止を図るため、保育士の就職相談・面接会や、キャリアアップの取組に対する支援を引き続き実施します。

小学生の放課後の居場所については、子どもの成長や家庭の状況など、それぞれのニーズに合わせた居場所づくりを推進するため、ひろばプラスを24か所に拡充するほか、中町学童クラブを、細工町高齢者在宅サービスセンターに移転して、細工町学童クラブとし、定員を拡大してまいります。

また、親と子の育ちを支える環境づくりでは、育児支援家庭訪問事業において、これまでの産後支援を産前産後支援とし、妊娠期からも利用できるようにするなど、在宅子育て家庭を含めた全ての子育て家庭を支援してまいります。
さらに、聴覚に障害のある新生児を早期に発見し、適切な治療や支援につなげるため、全ての新生児を対象に聴覚検査を実施します。

また、貧困の連鎖を防ぐため、子どもの貧困対策等に資する事業を引き続き実施するとともに、支援を必要とする家庭が、学習支援や経済的支援などの情報を確実に得られるよう周知してまいります。


このほか、児童相談行政を一元的かつ総合的に実施するため、2021年の開設を目指し、児童相談所及び一時保護所の整備を進めるとともに、専門性の高い人材の確保と育成、運営体制の整備に取り組んでまいります。

こうした取組に加え、昨年11月に実施した「次世代育成支援に関する調査」の結果を踏まえ、2020年度からの5年間を計画期間とする「新宿区次世代育成支援計画」及び「新宿区子ども・子育て支援事業計画」を策定します。

幼児教育の無償化については、これまでも多子世帯やひとり親家庭などの保護者負担軽減を、国基準に上乗せして実施してきました。現在、国において幼児教育無償化に向けた検討が行われています。引き続き、その動向を注視しながら、限られた財源の中で、幼児教育環境の整備・充実に取り組んでまいります。

次に、未来を担う子どもたちの生きる力を伸ばす教育の充実では、小学校において特別支援教育推進員を増員し、学級内指導体制を充実するとともに、中学校では、それぞれの障害の特性に応じた指導を在籍校で受けられるよう、全校に特別支援教室を設置し、発達障害などのある児童・生徒への支援体制を充実させます。
さらに、新宿養護学校に通う、医療的ケアを必要とする生徒が安全に通学できるよう、新たに専用の通学車両を運行します。

学校図書館については、放課後等開放を全小学校に拡大し、自学自習や調べ学習ができる環境を整備してまいります。

さらに、近年の夏の猛暑をうけ、児童・生徒の安全な教育環境の確保や、災害時の避難所としての機能を向上させるため、2020年度を目途に速やかに区立小中学校体育館等の空調設備を整備します。また、学校トイレの洋式化を、新たに小学校12校において実施します。

このほか、四谷地域において、2020年度からの小中連携型地域協働学校の本格実施に向けた取組を行ってまいります。

また、2020年度の新学習指導要領に対応するため、全小学校でプログラミング教育をモデル実施し、効果的な指導方法の検討を進めます。
さらに小学校で英語が教科化されることなどを踏まえ、デジタル教材の導入に向けた検討を進めるとともに、外国人英語教育指導員を活用した質の高い英語教育を実施することで、グローバルな視野を持ち、国際社会で活躍できる人材を育成してまいります。

東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を契機とした教育の推進では、英語キャンプや日本伝統文化の体験教室を実施し、子どもたちの国際感覚を養うとともに、自国の伝統文化に対する理解を深めます。
また、児童・生徒の障害者に対する理解と思いやりの心を育むために、ブラインドサッカーやゴールボールなど障害者スポーツ体験事業を実施します。

さらに、スポーツへの関心を高め、体力の向上を図るため、全小学校にスラックライン用の運動用具を導入するほか、東京2020オリンピックで新種目となる「スポーツクライミング」を体験できる環境を整備します。
加えて、中学生のボランティア活動の気運を醸成するため、「東京2020おもてなしボランティア体験事業」等を実施します。

就学援助については、昨年10月に改訂された生活保護基準等を踏まえ、入学準備金支給額を拡充し、新入学に際しての負担軽減に取り組んでまいります。

また、教員が健康でやりがいを持ちながら子どもたちと向き合い、質の高い教育活動を継続できるよう、教員の勤務環境の改善と働き方改革に向けて、引き続き、学校現場の実情に応じた取組を実施します。昨年6月に策定した「新宿区立学校における部活動ガイドライン」などを踏まえ、平成31年度から区立学校に部活動指導員を配置し、部活動を支える環境の整備を進めてまいります。

次に、セーフティネットの整備充実については、「第4期ホームレスの自立支援等に関する推進計画」を策定し、ホームレスの個々の状況に合わせた支援を行います。また、生活保護受給者、生活困窮者への自立支援に取り組み、一人ひとりが尊重され、地域の中でその人らしく暮らしていけるまちを実現します。

次に、女性や若者が活躍できる地域づくりの推進についてです。
男女共同参画社会の実現に向けて、「男女共同参画フォーラム」や啓発講座を開催するとともに、中学生向けの意識啓発誌を配付するなど、理解の促進を図ります。

また、仕事と生活の調和を図るワーク・ライフ・バランスの実現に向け、「ワーク・ライフ・バランス推進企業認定制度」による企業認定を行うほか、コンサルタント派遣やセミナーを開催するなど、働きやすい職場環境づくりに取り組んでまいります。

さらに、若者の柔軟な発想力や意見を区政に活かせるよう、しんじゅく若者会議の開催や、インターネットによる若者意識調査を実施してまいります。

このほか、「新宿区勤労者・仕事支援センター」において、ハローワーク等の関係機関と連携しながら、障害者、高齢者、若年非就業者、女性に対する総合的な就労支援を推進してまいります。

次に、地域の課題を共有し、ともに考え、地域の実情に合ったまちづくりの推進についてです。
都市化が進み、地域社会の人間関係が希薄となる中、地域の中で顔が見える関係を築き、お互いが協力して地域課題を解決していくことが必要です。
このため、地域コミュニティづくりの核である町会・自治会に対し、加入促進や活性化に向けたコンサルティング事業を拡充するなど支援を行ってまいります。

さらに、タワーマンションの居住者や管理組合に対し、地域コミュニティに関する意識や要望、組合活動などの実態調査を行い、町会・自治会への加入促進をはじめとする地域コミュニティの活性化に向けた取組につなげてまいります。

次に、地域での生活を支える取組の推進についてです。
成年後見制度の利用を促進するため、高齢者総合相談センターなどとの連携強化を図るとともに、社会福祉協議会による法人後見を推進し、認知症や知的障害、精神障害などにより、判断能力が十分でない人でも地域の中で安心して暮らし続けることができるよう支援してまいります。

次に、基本政策の第二「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」についてです。
昨年6月に発生した大阪府北部地震、9月に発生した北海道胆振(いぶり)東部(とうぶ)地震では、家屋やブロック塀などの倒壊、大規模な土砂崩れなどにより多くの方が犠牲となりました。
首都直下地震の切迫性が高まる中、区はこれまで以上にスピード感を持って、災害に強い、逃げないですむまちづくりを進めていく必要があります。

このため、建築物等耐震化の推進については、耐震診断後に、改修工事に至っていない木造住宅の所有者に対して、フォローアップ事業を前倒しして実施します。また、ブロック塀並びに擁壁・がけの安全化対策では、現地点検調査の結果を踏まえ、安全化指導を強化します。

さらに、木造住宅密集地域の解消に向けて、若葉・須賀町地区において、木造住宅の共同建替えを促進するとともに、上落合中央・三丁目地区の地区計画や、上落合東部地区の新たな防火規制の指定による不燃化の促進を支援してまいります。

また、防災性の向上や住環境の改善、賑わいの創出を図るため、四谷駅前地区と西新宿五丁目中央南地区の市街地再開発事業、西新宿五丁目北地区の防災街区整備事業を支援するとともに、本年3月に都市計画決定する、西新宿三丁目西地区の組合設立のための合意形成に向けて支援を行います。
高田馬場駅東口地区、西新宿七丁目地区及び西新宿五丁目南地区では、市街地再開発の事業化に向けた支援を行います。

細街路の拡幅整備については、建物の建替えにともなう事前協議の実施や、拡幅した敷地に隣接する方などに対し協力を呼びかけ、災害時の避難路の確保などに着実に取り組み、まちの安全性の向上を図ります。

道路の無電柱化では、本年3月に策定する「新宿区無電柱化推進計画」に基づき、道路の無電柱化を推進し、災害に強いまちづくりと都市景観の向上を図ります。平成31年度は、事業中の6路線の整備に引き続き取り組むとともに、新たに上落中通りと水野原通りの無電柱化に着手してまいります。

次に、災害に強い体制づくりについては、女性をはじめ配慮を要する方の視点を取り入れた避難所防災訓練などを実施し、避難所運営体制の充実に取り組みます。
また、災害時に適切な支援を受けるための必要事項を記載する「要配慮者災害用セルフプラン」を、区内の対象者に郵送するとともに、これを作成するための説明会を開催し、広く普及させていきます。

さらに、地域防災力の強化を図るため、これまで実施してきた防災イベントの内容をより充実させます。バーチャルリアリティーなどを活用した体験型イベントや、多言語の通訳者を配置するなど、子どもや若者、外国人の方も参加しやすい企画とし、より多くの方に興味を持ってもらうことで、地域防災の担い手の育成に取り組んでまいります。

このほか、医療救護所等に備蓄している医薬品・医療資器材の計画的な更新や、災害医療救護支援センターの開設・運営訓練を実施するなど、災害医療体制を充実させます。

マンションの防災対策については、中高層マンションの自主防災組織の結成促進を図るため、必要な資機材等の助成制度を創設いたします。

また、大規模災害時に早期の復旧・復興を図るため、災害時における相互支援体制や組織・配備体制など、区の災害廃棄物処理に関する基本的事項を定める「災害廃棄物処理計画」を策定します。

帰宅困難者対策については、新宿駅周辺において、自助・共助・公助を基本とする震災時の行動ルールに基づき、区、事業者、交通機関、警察・消防などと連携した訓練を実施してまいります。

次に、暮らしやすい安全で安心なまちの実現についてです。
区民の皆様が安心して暮らすことができるよう、「安全安心推進協議会」を再構築し、区、地域団体、警察などが地域課題や情報を共有することで、犯罪被害防止対策を推進してまいります。

また、区民や来街者が安心して楽しむことができるよう、引き続き、新宿駅周辺において、客引き行為等の防止に向けたパトロール活動を地域団体とともに実施してまいります。

さらに、巧妙化する特殊詐欺に対して、区内4警察署と連携し、自動通話録音機の貸出しや最新の手口を紹介するなど、注意喚起を行うことで、特殊詐欺撲滅を目指してまいります。

空家等対策については、「空き家等の適正管理に関する条例」及び「新宿区空家等対策計画」に基づき、管理不全な空家や、いわゆるごみ屋敷等の解消と発生を抑制するため、所有者などを対象とした相談会を実施してまいります。

民泊については、現地確認や指導監督等を行うなど、違法民泊に対する指導・是正を徹底するほか、届出のあった住宅宿泊事業についても適正に運営されるよう、組織体制を強化して取り組んでいきます。

また、夜間における不法投棄やごみの不適正排出を防止するため、改善が必要な地域を選定し夜間パトロールを実施することにより、生活環境の向上を図ります。

さらに、改正健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例の趣旨を踏まえ、受動喫煙を防止し、煙草を吸う人も吸わない人も快適に過ごせる生活環境を整備してまいります。

このほか、患者数が増加している風しんや、麻しんへの対策として、抗体検査と予防接種の対象者を拡大してまいります。

次に、基本政策の第三「賑わい都市・新宿の創造」についてです。
新宿駅周辺地域においては、昨年3月に策定した「新宿の拠点再整備方針」に基づき、駅、駅前広場、駅ビル等を一体的に再編し、線路上空を活用した広場空間の創出やユニバーサルデザインを踏まえた整備などを進めてまいります。
また、この整備を契機に、まちの特性を活かしたまちづくりや機能更新などを促進し、地域全体として質の高い国際交流拠点の形成に取り組んでまいります。

2020年7月の供用開始を目指す新宿駅東西自由通路の整備をJR東日本と連携して進めるほか、快適な歩行者空間の創出に向けて、新宿駅東南口前の歩道の拡幅やカラー舗装化を完成させるとともに、新宿駅東口広場の緊急整備を進めてまいります。

新宿駅東口地区については、本年3月に策定する「新宿駅東口地区まちづくりビジョン」を踏まえ、地区内の建替えを促進し、ゆとりある歩行空間を創出することにより、歩行者の回遊性の向上と、安全・安心で快適な都市環境を形成し、賑わいあふれるまちづくりを推進してまいります。

また、新宿通りのモール化の本格実施に向けて、道路空間を活用した賑わいの創出、荷捌きの集約化など、社会実験を拡大して実施します。

このほか、東急ミラノ座跡地における複合エンターテイメント施設の整備や、新宿住友ビルの公開空地を活用した日本最大級となる「全天候型屋内アトリウム広場」と「国際会議場施設」の整備、新たなアートの発信拠点となる「(仮称)損保ジャパン日本興亜新美術館」の整備等の開発計画を促進するなど、民間活力を活かしたまちづくりに取り組みます。

誰もが安心して楽しめるエンターテイメントシティ・歌舞伎町地区のまちづくりについては、大久保公園やシネシティ広場などを活用した賑わいの創出に取り組むとともに、一番街通りの道路整備に着手するなど、魅力あふれるまちづくりを推進してまいります。
さらに、客引き行為等の防止や、不法看板・放置自転車対策、「歌舞伎町クリーン作戦」など、安全・安心対策や環境美化に取り組みます。

また、地区計画などにより、地域の特性を活かしたまちづくりに取り組みます。
信濃町駅周辺地区では、昨年6月に策定したまちづくり構想の実現に向けた地域の活動を支援するとともに、国立競技場や関連施設の整備に合わせた賑わいと活力のあるまちづくりを進めます。
飯田橋駅周辺地区については、本年3月に策定するまちづくり構想を踏まえ、安全・安心で魅力あふれるまちづくりに取り組んでまいります。

また、高田馬場駅周辺地区については、人にやさしい都市空間の創出に向けて、昨年12月に策定したまちづくり構想に基づき、駅と駅周辺の一体的なまちづくりについて検討を行ってまいります。
神楽坂地区については、屋外広告物に関する地域別ガイドラインに基づく景観形成を推進するとともに、路地景観などの伝統的なまちなみを保全し、風情と賑わいが調和したまちづくりを推進します。

また、ユニバーサルデザインのまちづくりを一層推進するため、「(仮称)ユニバーサルデザインまちづくり条例」の制定に向けた検討を行います。条例では、建物等の計画段階から事前協議を行う制度を定め、ユニバーサルデザインに配慮したまちづくりを進めることで、誰もが利用しやすく、わかりやすい質の高い都市空間を創出していきます。
さらに、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に向け、新宿駅構内及び駅周辺の案内サインなどをよりわかりやすいものとし、利便性と回遊性の向上を図ってまいります。

次に、道路環境の整備についてです。
都市計画道路等の整備では、補助第72号線の大久保通りから職安通りまでの区間について、平成31年度中に整備を完了させることで、周辺道路の混雑緩和、周辺地域の活性化を図ります。

また、安全で快適な歩行空間の確保のため、信濃町駅周辺の区道、新大久保駅西側区道、小滝橋通り及び旧青梅街道の整備を進めるとともに、新たに早大正門前交差点並びに周辺区道の整備に着手し、道路の安全対策を進めてまいります。

あわせて、戸山地区及び百人町地区の歩道において、高齢者の休憩場所として利用できる腰掛防護柵等の設置を進めることで、高齢者が安全で安心して通行できる道づくりを推進します。

さらに、バリアフリーの道づくりでは、新たにモア4番街、甲州街道脇北側区道、区役所通り及び国立競技場周辺区道において、視覚障害者誘導用ブロックの設置を進めてまいります。

このほか、街路灯の省エネルギー対策として、本年度中に整備が完了する小型水銀灯のLED化に加え、新たに小型蛍光灯と大型街路灯のLED化に着手します。また、東京2020大会に向けた暑さ対策として新宿駅周辺及び国立競技場周辺の区道の遮熱性舗装を実施してまいります。

次に、交通環境の整備についてです。
自転車通行空間の整備については、本年3月に策定する「新宿区自転車ネットワーク計画」に基づき、自転車が快適に通行するための環境整備と近隣区との自転車ネットワーク化を図るため、神宮球場前と早大通りの整備を進めてまいります。

また、自転車の適正利用の推進については、高田馬場駅前に時間利用の駐輪場を増設するほか、百人町の自転車保管場所の収容台数を拡大してまいります。
自転車シェアリングについては、平成31年度に実証実験の効果検証を行い、本格実施に向けて他区との広域相互利用を促進するとともに、サイクルポートの設置を進めることで、区民や来街者の利便性とまちの回遊性の向上を図ってまいります。
このほか、鉄道駅の安全性向上や快適な利用空間を創出するため、ホームドアやエレベーターの設置を促進してまいります。平成31年度は西武新宿駅にホームドアを設置するとともに、JR新大久保駅にエレベータ―を設置します。また、2020年度の完成に向けて、西武新宿線・高田馬場駅のホームドア設置を鉄道事業者と進めてまいります。

次に、豊かなみどりの創造と魅力ある公園等の整備についてです。
新宿らしい都市緑化の推進については、本年度に拡充した接道部緑化助成制度を引き続き実施してまいります。
また、神田川や外濠の街路樹診断の結果に基づく、さくらの植替えや補修を進めてまいります。

新宿中央公園では、「新宿中央公園魅力向上推進プラン」に基づき、民間事業者によるカフェ・レストランやスポーツクラブを併設した交流拠点施設の設置を進めてまいります。あわせて、ポケットパークと芝生広場などの整備に取り組み、新宿中央公園の魅力をさらに高めてまいります。

みんなで考える身近な公園の整備については、落合地域にある、やよい児童遊園を魅力ある公園に改修するため、地元の方々とワークショップを開催し、再整備計画を作成してまいります。

さらに、本年度策定した「新宿区公園施設長寿命化計画」に基づく、区立公園の遊具の更新等を行い、安全で快適な公園づくりを進めてまいります。

また、東京2020オリンピックのマラソンコース沿道をはじめ、国立競技場や駅周辺など、多くの人々が訪れる場所の周辺にある公園トイレ及び公衆トイレについて、多機能トイレや洋式トイレに改修し、誰もが利用しやすい快適なトイレの整備を進めてまいります。

このほか、区内にあるさくらの名所の魅力を伝え、多くの方に散策していただけるよう、3月下旬から4月上旬頃にかけて、神田川、妙正寺川、外濠において夜間のライトアップを行います。

次に、地球温暖化対策の着実な推進については、区民・事業者への省エネルギー意識の啓発や省エネルギー機器の設置に対する助成、「新宿の森」での環境保全体験への参加促進などに、引き続き取り組んでまいります。
また、資源循環型社会の構築に向けて、新宿エコ自慢ポイント制度や食品ロス削減協力店登録制度、家庭で余った食品を持ち寄り、必要とする施設等へ寄付する「フードドライブ」を実施することで、食品ロス削減の意識の醸成を図るなど、ごみの減量とリサイクルの推進に取り組んでまいります。

次に、活力ある産業が芽吹くまちの実現についてです。
区内企業の魅力を広く発信するため、「しんじゅく逸品」のロゴマークを商標登録し、商品や製品と併せて広く普及させることで、しんじゅくブランドの創出につなげてまいります。また、新宿観光振興協会と連携した「しんじゅく逸品マルシェ」を開催するとともに、「しんじゅく逸品」の登録商品と観光情報をまとめた紹介冊子を作成し、広く周知することで、区内への誘客促進と企業のビジネスチャンスを創出します。
さらに、新宿ものづくりマイスター同士の交流の場を作り、相互の研鑽を図るとともに、マイスターに認定された方々を紹介する冊子を作成し、区内のものづくり産業の魅力を広く発信することで、販路拡大や技術承継につなげていきます。
また、区内企業の技術力を活かした新事業の創出を支援するため、「新宿ビジネスプランコンテスト」の開催や、区内中小企業者が行う新製品・新サービスの開発に対する助成などを実施してまいります。

さらに、区内中小企業の人材確保支援として、引き続き、若者向けしごと探しサイトの運営や企業合同セミナーの開催、女性の就業支援に向けたコンサルタント派遣などを実施するほか、外国人の人材活用を希望する中小企業と、就職を希望する留学生など外国人求職者のマッチング等の支援をしてまいります。

次に、商店街の活性化に向けた支援については、商店会等が実施するイベント事業に対して、引き続き助成を行うとともに、東京2020大会に向け、商店街路灯のLED化による省電力化事業や、道路のカラー舗装などの活性化事業について支援を拡充してまいります。

また、商店会情報誌「新宿商人」の発行部数の拡充や、区内大学等との連携・交流による商店街支援を進めることにより、商店街のさらなる魅力づくりを促進してまいります。

さらに、近年の外国人観光客の増加や東京2020大会の開催を見据え、商店街の店舗の案内看板やメニュー、ホームページ等の多言語対応のための経費を助成するほか、音声自動翻訳機を一定期間無料で貸し出します。
次に、まちの歴史や記憶、文化、芸術など多様な魅力による賑わいの創造についてです。
多様な文化芸術イベントを集約した「新宿フィールドミュージアム」の開催期間を拡大するとともに、イベント情報の発信を強化するため、ガイドブックを増刷するほか、新たにサポーター制度を導入いたします。

また、日本の伝統文化を体験できる「和を伝えるプログラム」では、外国人観光客の参加を促進し、新宿のまちへの満足度を高めることで、繰り返し訪れたくなるまちづくりを進めます。

漱石山房記念館では、本年度多くの方にご参加をいただいた「九日会」の開催やオリジナルグッズの作成、アニメ等を活用したイベントの実施などにより、幅広い年齢層に、漱石にゆかりのある文化人の魅力をより一層発信できるよう取り組んでまいります。

新宿文化センターでは、開館40周年を記念して、海外のオーケストラや著名なミュージシャンによる音楽公演、名誉区民の皆様による伝統芸能の催しを開催します。今後も、区民の皆様に親しまれる文化芸術活動の拠点として、様々なイベント等を実施してまいります。

次に国際観光都市・新宿としての魅力の向上についてです。
「新宿フリーWi-Fi」については、主要駅を中心とした整備を引き続き進めるほか、新宿観光振興協会のポータルサイトと連携し、まちの集客力や回遊性の向上を図ってまいります。

また、新宿の魅力を広く周知するため、「観光資源情報検索システム」を構築し、区内の文化財や文化施設、パブリックアートなどの多彩な観光資源情報を紹介するとともに、主要駅周辺にピクトグラムや多言語を表記した観光案内標識の整備を進めてまいります。

次に、生涯にわたり学習・スポーツ活動などを楽しむ環境の充実についてです。
図書館サービスの充実では、区内10カ所の図書館のうち、四谷に加え、鶴巻・北新宿・大久保・下落合図書館の5館の休館日を月曜日から火曜日に変更することで、区民の皆様の利用機会を拡充します。

スポーツ環境の整備では、子どもから高齢者まで、また障害のあるなしに関わらず、多様なスポーツに親しめるよう、ボッチャ等の体験教室やトップアスリートを迎えたイベントを開催し、東京2020大会に向けた、区民の皆様の気運醸成を図ってまいります。
また、子どもたちのスポーツ環境の充実を図るため、江戸川河川敷グラウンドを借り上げ、子どもたちがスポーツを楽しめる機会を創出します。

次に、多文化共生のまちづくりの推進についてです。
新宿区に居住する外国人の方へ、暮らしのルールやマナーを周知するため、生活情報等を多言語でまとめた映像を作成します。
映像の配信にあたっては、外国人の方に、確実に情報を伝えるため、日本語学校や不動産業者、外国人コミュニティとの連携を図ってまいります。また窓口で配布する新宿生活スタートブックの表紙に映像配信につながるQRコードを掲載し、視聴を促すなど、より効果的な取り組みを行ってまいります。
次に、平和都市の推進についてです。
新宿区平和都市宣言の趣旨に基づき、「平和コンサート」や「親と子の平和派遣」などの平和啓発事業を実施するとともに、本年度作成した「戦争体験継承DVD」等を活用し、戦争の悲惨さと平和の尊さを多くの方々に末永く発信してまいります。

次に、基本政策の第四「健全な区財政の確立」についてです。
効果的、効率的な区政運営に向け、本年度新たに導入した施策単位での行政評価手法とともに、新公会計システムの活用などにより、各事業の見直しや次年度予算編成への反映をより一層徹底し、行財政運営におけるPDCAサイクルを強化していきます。

また、ネーミングライツや公的不動産の活用、広告による税外収入の確保に努めてまいります。

区有施設については、「新宿区公共施設等総合管理計画」に基づき、区有施設の維持管理・更新・統廃合・長寿命化などを総合的かつ計画的に行い、施設マネジメントの強化を図ります。区立小中学校等の個別施設計画については、2020年度までの策定を目指して取り組んでまいります。

牛込保健センタ―等複合施設については、前面の外苑東通りの拡幅事業に伴う北側区道の変更により、施設を改修する必要があることから、施設で実施している事業の一部に影響が出ることがわかりました。こうしたことに加え、建物の老朽化などへの対応や生活実習所の定員の拡大等を図るため、2024年度の開設を目指して建替えを行います。
このほか、本年10月の消費税率の引上げや、東京2020オリンピック・パラリンピック終了後の景気動向等に適切に対応するため、公契約における更なる労働環境の整備を推進し、公共サービス調達の品質の確保を持続可能なものとする「(仮称)新宿区公契約条例」の制定に向けた取組を進めてまいります。

次に、基本政策の第五「好感度1番の区役所」についてです。
行政サービスの向上については、公金納付の機会拡充による利便性を向上させるため、2020年度から「クレジット納付」と「ペイジー納付」の導入を進めてまいります。

また、区公式ホームページについては、現在対応している、英語、中国語、韓国語の3言語に、新たにフランス語、ベトナム語、タイ語、フィリピン語などを加え13言語とし、外国人の方の利便性の向上を図ります。

さらに、区が保有する公共データを誰もが利用できるよう運用しているオープンデータカタログサイトについて、利用者のニーズに応じて、公開するデータを増やすとともに、官・民・学の連携による地域課題の解決に向けたオープンデータの活用を推進してまいります。

職員の能力開発、意識改革の推進については、職員一人ひとりの資質向上に向け、実務を遂行するうえで欠かせない知識や法令等の基礎的能力を向上させるとともに、新宿自治創造研究所並びに人材育成センターを活用した研究や研修を充実し、区民の目線から的確に政策を立案し実行できる職員を育成してまいります。

地方分権改革については、引き続き、国から地方への権限移譲を進めるとともに、税源移譲等による適切かつ確実な財政措置を講じるよう国へ要望してまいります。

東京2020オリンピック・パラリンピックの開催まで、あと1年余りとなりました。
平成31年度は大会開催に向けた重要な年と捉え、「新宿区東京2020大会区民協議会」を中心に、この大会が未来を担う子どもたちをはじめ、多くの区民の記憶に残るよう、さらなる気運醸成、普及啓発に取り組んでまいります。

本年3月に開催する大会開催500日前イベントでは、スポーツ教室やオリンピック・パラリンピック競技の体験、関係団体によるブース出展など、多くの世代が楽しみ交流できるイベントといたします。
また、平成31年度は大会開催250日前イベントや、ラグビーワールドカップ2019のパブリックビューイングイベントを実施するとともに、各特別出張所において、地域の特性に応じたオリンピック・パラリンピックに関連する事業を、地域の皆様と連携して、実施してまいります。

さらに、東京2020パラリンピックの開催を好機ととらえ、ボッチャやゴールボール等のパラリンピック競技体験を通して、障害者スポーツを身近に感じ、競技を応援する気持ちを高めるとともに相互理解による「こころのバリアフリー」を促進してまいります。
このほか、地域の伝統芸能や歴史的行事など、新宿の文化を発信する区民の皆様の活動を支援する「(仮称)新宿区東京2020オリンピック・パラリンピック区民参画基金」を活用してまいります。
また、区立学校への陸上競技シルエットシールの設置や、区の庁舎をはじめ、区内に大会関係の装飾をすることにより、区民や来街者の皆様へ大会のアピールを行うとともに、ボランティア活動の機会の創出に取り組んでまいります。

3.2 平成31年度予算の概要

次に、平成31年度の予算案についての基本的な考え方を申し述べます。
はじめに国及び都の平成31年度予算案についてです。

政府の平成31年度予算案は、全世代型の社会保障制度への転換に向け、消費税増収分を活用した幼児教育の無償化や社会保障の充実、消費税引上げによる経済への影響の平準化に向けた施策などへ財源を重点的に配分する一方、国債発行額を7年連続で縮減するなど、経済再生と財政健全化を両立する予算となっています。
一般会計予算は101兆4,571億円で、前年度と比較して3兆7,443億円増となり、7年連続で過去最大を更新しています。
税収は62兆4,950億円で、前年度と比較して3兆4,160億円増となっています。

また、東京都は平成31年度予算を「東京2020大会を推進力とし、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう未来に向けた道筋を力強く歩む予算」と位置づけています。
都税は5兆5,032億円で、前年度と比較して2,700億円、5.2%増となっています。一般会計の予算規模は7兆4,610億円で、前年度と比較して4,150億円、5.9%の増となっています。
続いて、区の平成31年度予算案についてです。
平成31年度予算は、編成の基本方針を「区政課題への柔軟な対応を図りつつ、限られた財源の効果的配分により、持続可能な行財政運営の確立を目指す予算」と位置付け、第一に社会経済情勢の変化に対応しながら、区が直面する課題に重点的な財源配分を行い、迅速かつ的確に取り組むこと、第二に、行政評価や決算実績などに基づくPDCAサイクルによる事務事業の見直し、内部管理経費の精査など、徹底した経費削減に取り組むとともに、一層の歳入確保を図ること、この二点を基本に編成しました。

一般会計予算は過去最大の1,508億円で、前年度と比較して44億円、3.0%の増となりました。3つの特別会計は合計697億円で、前年度と比較して2億円、0.2%増となり、一般会計と合わせた平成31年度予算案の総額は2,205億円、前年度と比較して46億円、2.1%の増となりました。
良質な区民サービスを提供し続けるためには、将来にわたり安定した財政基盤を確立しなければなりません。そのためには、引き続き、区税等の増収対策、内部管理経費の削減、公共サービスのあり方の見直しや定員適正化などの取組を、さらに進めることが重要です。
常に区民の視点で、不断の行財政改革に徹底して取り組み、持続可能な行財政運営に努めてまいります。

4 おわりに

以上、区政の基本方針と施策の大綱について、所信の一端を申し述べてまいりました。

区政を取巻く社会経済情勢は不透明であり、景気の先行きについても、慎重に見極めていく必要があります。
こうした中、区民の皆様の暮らしを支えるとともに、安全・安心で、魅力あふれるまちづくりを着実に進めていかなければなりません。
私は、区民に最も身近な基礎自治体の長として、現場・現実に向き合いながら、区政課題に的確に対応することで、誰もが住みたい、住み続けたいと思える、新宿のまちの実現に向けて、全力で取り組んでまいります。

議会並びに区民の皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げまして、区政の基本方針説明を終わらせていただきます。

本ページに関するお問い合わせ