このページでは、私が日々の仕事や新宿のまちの出来事について感じたこと、心にかかっていることなどを、できるだけ気軽に、でも、将来の新宿への思いを込めて、皆さんにお届けします。
新宿区長 中山弘子
漱石公園をご存じですか。文豪・夏目漱石は新宿の人です。喜久井町の夏目坂も漱石の生家にちなんだ名ですし、終焉の地である早稲田南町の旧居跡の一部も区立漱石公園として整備されています。晩年の漱石はこの地で代表作「こころ」や「明暗」などを執筆しました。また、芥川龍之介をはじめ多くの門下生が集ったこの家は「漱石山房」と呼ばれました。
私は若い頃、雑司ヶ谷霊園で漱石の墓に出会ったときのことを今でも鮮やかに覚えています。漱石は日本人に愛されている作家であり、多くの日本人の心に生きていると思います。公園が整備されて三十年近く経ち、旧居ゆかりの石積み擁壁の改修が必要となったことを契機に、漱石への思いを強く抱く区民や関係者の方々と協働で漱石公園のリニューアルの検討を始めました。
昨年十一月、矢来公園に、解体新書で有名な杉田玄白の「生誕地・小浜藩下屋敷跡」の碑が建立されました。これは現在の矢来町一帯の江戸期の歴史を物語るものであり、福井県の関係者の申し入れを受け、整備したものです。
これらはほんの一例ですが、新宿のまちには多くの誇るべき歴史が詰まっています。私はこうした新宿のまちの歴史の記憶を共有できるまちづくりを、多くの区民の皆さんと進めたいと思っています。